取り急ぎ、始めるにあたって。

毒が抜ける、とか、角が取れる、とかいうのはよく言ったもので、

やはり人間、30代に足を踏み入れるとそんなことになってくる。
そうでもないと世の中を渡れなくなるのか、
生き物として生命力が低下して省エネ運転に移行してくるからなのか
そのあたりは定かではないが、何かしらの適応なんだろうと思う。
が、困ったことに、毒とか角とかいったものは、案外思考の媒介になるものであって
それが失われるということは、なにかと考えずに済ませてしまいがちになる、
ということでもある。
抵抗や衝突や振動が見事な地形を創り出すように、
流れというのはスムーズであれば良いということでもない。
物事を新たなレイヤーに持ち込んだり、
新たなパースペクティブを挿入したりというのは、なかなか熱量が要る。
いるなー、摩擦。ということになる。
 
それであれば、敢えて角を磨きだしたり、
毒素を精製したりみたいなことをやっていかなければならんと思いだす。
とある大好きな嬉野さんは、人には「心の水路を取り戻す作業」が必要なんだと言っていた。
嬉野さんもそう言うなら、始めてみるか―。ということになる。
 
社会人という身分で日々、思考の断絶に襲われながらも
何とかできそうなものをということで、ここを選んでみた。
主義主張を世の中に訴えたいわけではないから、どこかのSNSにも書きたくないし、
かと言って、自分だけの日記では手抜きが始まるに違いない。
とりあえずこっそりと、やすりを買いに行くように、アカウントを開設してみた次第。
 
と、とりあえず最初に書いておこうと思って。